フィクション日記

しょっぱい毎日を生き抜くため、妄想力を鍛えています。

女体盛り梅コース

女体盛りってあるじゃないですか。女性の体に刺身を乗せて食べるやつ。

あれって本当にあるのかな。都市伝説じゃなくて。

我々庶民が入れるようなお店では衛生面うんぬんで絶対ありえないだろうけど、多分政治家の人とかが夜な夜な集う高級料亭とか、寂れた温泉街のセクシーな出し物とか、日常とは離れたものとして存在するのかもしれない。

 

もし仮にそういう場面に遭遇したら、おそらく自分はビビってしまって絶対に楽しめない。

板前さんはどんな表情で盛り付けたんだろう、おへそのあたりのマグロは冷たくないのかな。とか、余計なことをたくさん考えて現実逃避しそう。

 

多分お皿役の方は真ん中に鎮座されるだろうから、逃げ場がなさそうなのも辛い。

そもそも裸エプロンでさえパンツを履いていてほしい派の自分としては、全裸で皿だと言われてもあんまりそそられない。局部がシソやツマで隠されていたとしても、それは何か違う。

 

あえて頼めるとしたら、刺身皿ではなくて、醤油皿になってほしい。それも一回だけ。言うなれば梅コースレベル。

 

乳首どころか谷間さえ見えず、ぎっちり和服を着込んだお姉さん。その細い鎖骨のくぼみに醤油を垂らす。お肌が傷みそうだから、わさびは使わない。そして一枚だけ、刺身を「皿」に浸すのだ。刺身の冷たさに、少しびっくりするお姉さんの反応を観察。体温でややぬるくなった刺身を食みながら、だまって会釈をして、おいしかったですとアピール。お姉さんは食べ終わるのを確認すると、事務的に首元の醤油をぬぐってそそくさと持ち場へ戻る。その後ろ姿をぼんやり見送って終了。

 

十分すぎる。むしろこっちがいい。醤油を注ぐ薬指に指輪がキラリと光っていたら、さらに最高。

もし頼むことがあったら、梅コースはないかと聞いてみよう。自分が女体盛りを頼む立場になることなんて絶対ないけど。