尻が凄すぎる「火ぐまのパッチョ」のデザイン性について考える
もしご存知ないようであれば、是非こちら(http://www.tokyo-gas.co.jp/paccho/)を見ていただきたい。
パッチョくんといえば、そのプリプリのおしり。
ガス会社のキャラクターで、尻。
パッチョくんが空を飛ぶシーンでは、彼の後ろに火がぽつぽつと点りながら進む。多分そのプリケツから、何らかの着火可能な推進エネルギーの原料が出てるのだろう。
先日公式サイトがリニューアルしたらしく、そのトップで踊る尻の動きはやたらなめらかで、そして激しい。このまま見続けたら、いつか尻の肉がちぎれ飛ぶんじゃないかと心配するレベル。
また、以前乗った山手線の車内では、「バーカウンターで女性を口説くも、あれこれ言われて結局振られる」という内容のCMが流れていたことがあった。
レギュレーションが厳しく、イメージを大事にする企業キャラクター界において、その自由すぎる言動と尻押しのインパクトは斬新である。
そんなパッチョくんの顔をよく見ると、漢字の「火」の文字で構成されていることに気づいた。
体は、コンロの火のようなグラデーションのかかった青白い色。
よくよく調べると、火ぐまの王子さまという設定らしい。ヒグマで火ぐま。くまをチョイスした理由まである。
すごい。考えれば考えるほど、デザインにまるで無駄がない。
そして公式サイトには短い絵日記コンテンツがあるのだが、その内容はキャンペーンのお知らせから最近話題の将棋ネタまで幅広い。
しかしそのどれもが、適当な空気を醸し出しており、そのゆるさは「こいつだから仕方ない」というキャラクター性を表現している。
すごいぞパッチョくん。その狸っぽい顔や、ネズミっぽい顔にトライする企業キャラクターは、多分お前が初めてなんじゃないか。
この何をしても許されそうなパッチョくんだが、その適当でゆるい性格まで合わせて「キャラクターデザイン」なのか?とふと思った。
そう考えると、キャラクターデザインという世界は奥が深い。
パッチョくんの最大の武器はかわいらしさでも尻のインパクトでもなく、キャラクターとしての「自由度」なんじゃないかと思う。
企業キャラクターだけど顔崩れやコンプライアンスギリギリラインも狙ってOK。だって自由なキャラクターだから。
尻を出すという行為は通常許されないが、パッチョは許される。なぜなら自由な奴だから。
つまりパッチョくんにとっての尻とは、自由度の象徴であり、キャラクターのインパクトであり、ガス会社という刷り込みも併せ持つ最強の訴求ポイントなのである。
そして現在東京ガスが注力している取り組み。それは「電力事業の自由化に伴う事業参入」。電力『自由』化である。
さすがにこれはこじつけかもしれないけれど、もしかしたら全ては電力自由化を見据えた布石だったんじゃないかとさえ思うレベルで、パッチョくんには「自由」という概念がついて離れない。
さすが電通、レベルが違うなぁ。そしてデザイナーさんはすごい戦略家だ。きっと我々を尻であざ笑っているに違いない。
今後もパッチョくんの自由性とプリケツに注目したい。