フィクション日記

しょっぱい毎日を生き抜くため、妄想力を鍛えています。

除湿機の満水時の通知音について会議

家にあるコロナの除湿機は、水がいっぱいになると「大きなのっぽの古時計」が流れる。

聴き心地は悪く、ファミコンも真っ青のチープな電子音。いろいろひどい。

 

かつて開かれたであろうコロナ社内会議で、「満水時のアラート音について」を議論したのはどんなメンバーだったのだろうか。きっと反対意見も出たはずだ。

 

「満水で稼働不能になった様子を、百年も休まずにちくたく動いた時計の最期と重ねるのはあんまりです。こいつは百年どころか、まだ働いてすらいないんですよ。むしろ『食べ過ぎてお腹いっぱい。もう動けなーい』に近いんじゃないですか。」

 

そう言った若者は、後日呼び出され、ハイというまで大きなのっぽの古時計が流れ続ける部屋で仕事をさせられたに違いない。