フィクション日記

しょっぱい毎日を生き抜くため、妄想力を鍛えています。

メルカリの商品一覧から見える人間性

いらないものの処分は難しい。

捨てる、譲る、売る…と色々あるが、最近は条令やらで、捨てるという選択肢にもお金がかかることが多い。

以前知人から「リサイクルショップで買った千円の机を処分するのに、五千円かかったことがある」ときいて驚愕した。知らないうちに世間はそんなことになっていたのか。入手より処分の手間の方が5倍も高級だなんて。

 

そういう意味で、メルカリの登場は「売る」という選択肢が気軽に選べて嬉しい。

自分は、あんまり状態のよくない本は即古本屋、そこそこ状態がいい本はメルカリに出したりしている。要は使い分けである。

 

別にメルカリで儲けようというわけではないけれど、ほぼ購入時の値段くらいで売れたりすることもあるので、捨てるよりよっぽどいい。

また、売ったお金で別のものを買ったりもできる。これが噂のメルカリループというやつなのだろう。常に一割搾取されるから嫌、という声もあるけど、自分はあまり気にしない。ブックオフに売るよりは手元にお金残るし。

 

メルカリでよく売れる時間帯はやっぱり夜中。

多分自分のような宵っぱりの人が、だらだら眺めているのだろう。

値段は過去の出品金額と照らし合わせて適当に決めたり、ブックオフとかの店頭価格と比べたりする。判型が微妙で保管に困るものの場合は、ブックオフに買い取られるよりはと、わざと値段を下げる時もある。

 

逆に購入者サイドでみてみると、メルカリは案外技術書が出品されていてよいかんじ。

お目当の5000円の技術書が500円くらいで売られてたりすると、テンションが上がる。

 

しかし、出品者の出品物のほとんどが女性もののアクセサリーだったりする中、数点だけこういうのが混じってると、なんだか背景が気になる。しかもそういう場合は、相場よりかなり安い場合が多い。

 

どうしたんだろう。

同棲してた恋人と別れたから、残された荷物を売ってるのかな。早く忘れたくて、こんなに値段を下げて売り急いでるのかも。

それともこの女性本人が、Pythonで画像解析バリバリやってたのかな。家庭の事情で事務部門とかに異動になって、もう技術職から離れることになったとか。それなら、今頃は「総務の仕事がよくわかる本」とかにいいねをつけて回ってるのだろうか。

どっちにしろ、グッとくる。

 

そう思って自分の出品一覧を改めて見てみた。

「クリア済みのゲームソフト」「プログラムの本」「ねんどろいどプチ」「忘年会でもらったそに子のおっぱいマウスパッド」

うーん…すごいな、全くグッとこない。

なんかさえないメガネが、夜中に一人で出品写真を撮ってる様子が目に浮かぶ。後ろに飲み残しのコーラのペットボトルが転がってそう。

 

よく知恵袋とかで「値引き交渉がうざい」みたいな記述を見るが、自分はほとんどあたったことがない。多分値引き交渉なんてする度胸がない同類が買ってくれているんだと思う。

ほっとする反面、こんな匿名の世界でもきちんと同類コミュニティが形成されている、と思い不思議な気分になった。

 

しかし、基本的には元々の持ち物を売ってるのだから、まあ当然の話ではある。

オシャレな人はオシャレな物を持っている。それがいらないものであっても、一度はオシャレな人のお眼鏡にかなった品なのだ。我々のような人種のいらないものとは区別されて然るべきである。

 

試しにオシャレな小物とかランジェリーとか、売ってみようかな。持ってないから、メルカリでオシャレそうな出品してる人から買って。

あ、ダメか。そういうマニアだと思われて売ってくれないかも。おっぱいマウスパッド売ってる奴がオシャレなランジェリーを買うなんて、明らかな変態だ。

 

やめようやめよう。試しにやって本当に断られたら、ショックで立ち直れない。これでいいんだ。

そう思った矢先、ねんプチに「いいね!」がついた。速攻で相手の出品物を確認。

 

ああ、やっぱり。

あの、会ったこともないのに失礼だとは思うけど、君も難しそうだよ。ランジェリーの購入。