フィクション日記

しょっぱい毎日を生き抜くため、妄想力を鍛えています。

即興シナリオライター

隣の課の課長である坂本さんと、たまたま昼食帰りのエレベーターで一緒になった。

昔小説家だったらしいと噂できいたことがあったので、せっかくだからと話を振ってみた。

「坂本さん、小説家だったんですか」
「え?違うけど」
「あ、そうですか、勘違いでしたか」
「なんで?」
「いや、風の噂できいたので…」
「あー、あれのことかな」
「?」
「昔イベントで地下アイドルを呼んで朗読会をしたんだけど、その話を余興の一環で書いたんだよ」
「はあ、すごいですね、どんな話を書いたんですか」
枕営業をテーマにした官能小説」

なにそれ。

小説家になるよりすごいじゃないか。